【導入事例】『matomeru』株式会社グリーンロード
花や植物の販売を通じて様々なサービスを展開する株式会社グリーンロード。今回はお祝花のあらゆるフローをワンストップで提供する『matomeru』のリニューアルにおけるSaaSus Platformのご活用についてお話しいただきました。
インタビューにご協力いただいたのは取締役の加藤雄太さんです。
コロナをきっかけに生まれたサービス
ーまずは、貴社の事業内容やプロダクトについて教えてください。
加藤さん:
株式会社グリーンロードは、社名にもある通り観葉植物などの「グリーン」やアレンジメントなどの「お花」に関する事業を中心に展開しています。元々はtoC向けの店舗でのお花屋さんから始まりましたが、代表が長年BtoBのキャリアを歩んでいたこともあり、徐々にBtoBのお花屋さんがメインにシフトしていきました。現在では、移転や就任パーティーなどのお祝い事の際のお花の製作から納品までをメインに、法人向けのECサイト運営、その他、お花やグリーンを活用した空間プロデュース事業も行っています。
私自身、元々は不動産業界でITを活用した新規事業の企画などを行なっていましたが、花とITとを掛け合わせた事業構想があるということに惹かれ、グリーンロードにジョインしました。花×ITの本格的な一歩として立ち上がったのが『matomeru』になります。
『matomeru』は空間プロデュース事業から派生して生まれたサービスです。空間プロデュース事業では、空間のデザインとそれに伴うお花等の納品を行なっておりましたが、新型コロナウイルスの影響が、当該事業への売上にも影響が及ぶようになりました。
お祝い事をすること自体が減っただけでなく、お祝いをするにしても、各社が手配した業者が出入りするという状態が感染予防の観点で望ましくなく、お祝いを受け付けず内々で済ますというケースも増え、人と人との距離感だけでなく、企業同士の距離すらも遠くなっているように感じており、そういった課題への対策として『matomeru』の構想が立ち上がりました。
お祝いをしたい企業様がそれぞれ業者を手配するのではなく、『matomeru』が依頼を受けて弊社が一括で納品することで、会場への人の出入りを減らし、不特定多数の出入りという状況を回避し、安全にお祝花を送ることができます。それだけでなく、お祝花のフローを『matomeru』で一括管理することで、受け取る企業様とお花を送る企業様それぞれの作業の手間を低減することが可能です。
コロナ禍を契機に誕生したサービスですが、企業の作業負荷の軽減というメリットは大きく、それ単体でも十分な価値を提供できると考えています。実際に『matomeru』を始めてみると、ニーズの強さを感じました。お祝花という文化は素晴らしいものですが、花や植物という物理的なもののやり取りが必要になるので、贈る側も贈られる側も手間がかかってしまいます。『matomeru』を使うことで、簡単にお祝花を贈ることができるようになるので、企業同士のお花を通じたコミュニケーションがより活発になるのではないでしょうか。
リソース不足、ナレッジ不足、経験不足という課題
ー『matomeru』は最初からSaaS化を見据えて立ち上げられたのですか?
加藤さん:
最初はSaaS化どころかサイトすらない状態から始めました。とにかく、スピード重視でアイデアの検証を行いたかったので、個別に受注して『matomeru』のサービスを提供していました。そこからサイトを作ってフォームで問い合わせや申込を受けるようになり、次のステップとしてSaaS化に辿り着きました。
『matomeru』のサービスはお祝花をもらう企業がお祝花を受け付けるような形になるので、若干、日本人の感性として受け入れられづらいかなという懸念はありましたが、実際にご利用いただくことでその便利さを体感していただけます。今後、顧客数の増加が見込まれるため、システム化によるスピーディな対応を可能にすることで、お客様の利便性を高めるだけでなく、売上の増加にも寄与すると考えています。
ーSaaS化への課題についてお聞かせください
加藤さん:
そもそもですが、お花屋さんが主軸なのでシステムに理解がある人間がほとんどいませんでした。構想はあるものの、それを作れる人がいないという状態でしたので、2年くらいは最低限のサイトとフォームだけで事業を行なってきました。私は数年、エンジニアリングを担当した経験がありますので、ビジネスサイドとして要件や要望を伝える上でのエンジニアとのコミュニケーションはある程度できますが、構想を具体化したり開発のディレクションまでを行うことは難しいというのが実情でした。今後の事業の拡大を見据えた時に、システム投資への必要性を感じていましたが、リソースも限られている中で、開発の全部を外部に委託するのは単純な委託のコスト面だけでなく、開発のディレクションなどコミュニケーションにも多大な工数がかかりそうだなと感じていました。単なる委託ではなく、工数を最小限に抑えつつ、事業構想の段階から一緒にサービスを具現化できるパートナーを探していました。
今後の事業の拡大を見据えた時に、システム投資への必要性を感じていましたが、リソースも限られており、自社のIT部門の体制も十分ではないため、開発リソースは外部に委託しようと考えていました。とはいえ開発の全部を外部に委託するのは単純な委託のコスト面だけでなく、開発のディレクションなどコミュニケーションにも多大な工数がかかりそうだなと感じていました。
ーSaaSus Platformを導入いただいた決め手などはございましたか?
加藤さん:
元々、SaaSus Platformは、いかに小さく始め、コストを抑えていくかという課題への一つのアプローチとして有用なのではと考えていました。いかにロスをなくすかという観点で計画を立てようとすると、作りたい機能とその開発期間や工数を事前に細かくシミュレーションしなくてはいけません。しかし、スピード感を持って進めたいとも考えていたので、「早く小さく」を実現できるようなサービスがあれば良いなと考えていました。自分たちで作るよりもサービスを使うことで課題を解決して、本当に必要な機能に集中して開発をしていくという要望にピッタリだと思い、導入しました。
ー実際に利用した感想をお聞かせください。
加藤さん:
SaaSus Platformはユーザー管理の部分についてはほとんど考えずに、最初期にエンジニアチームと認識が揃えられたらあとは特に具体的なオーダーを出す必要がありませんでした。そのおかげでビジネスのところに注力できています。必要な機能はSaaSus Platformに任せて、欲しい機能やサービスの価値を高めるための機能に集中できるので、時間がない中でビジネスにとってより重要なところに時間を使いたいという当初のニーズをしっかりと満たしているように感じます。
<実際にSaaSus Platformを活用したサービスの構成図>
<設計のポイント>
- OGPタグ対応のため、AWS Amplifyを利用しSSG/SSRを使い分けている。
- GitHub Actionsを利用したAmazon ECSへの自動デプロイを構成。
デプロイ時の認証にはOIDCによるIAMロールを利用。
お花×ITをさらに進化
ー貴社や『matomeru』の今後について教えてください。
加藤さん:
会社としては花×ITのITの部分を伸ばしていけると良いかなと考えています。まだまだ、人の手に依存する部分が多いのが現状ですが、ITの領域を広げていくためにも、ゆくゆくは内部にエンジニアチームを持ちたいと考えています。今は花屋としての側面が強く、人材の確保が難しいこともあり、外部に委託しながら社内にナレッジを蓄積していく段階だと考えています。
近々では、大きな開発は委託、UI/UXなど日々改善が必要な部分については社内で改善という動き方になるかと思います。
『matomeru』については、今はお花に特化したサービスですが、お祝花以外のお祝いを贈れるような形にできたら良いかなと思っています。あらゆるお祝いシーンに活用できるお祝いプラットフォームへの進化にご期待いただければと思います。
ーSaaSus Platformに今後期待する点はございますか?
加藤さん:
請求機能の柔軟さが上がると嬉しいですね。現状、Stripeを使った請求機能はありますが、
Stripe形式での請求書の送付になるので、そこの自由度が高まると社内の請求フローや所定の形式に合わせた利用ができるのではないかと感じています。
また、メール配信やメルマガ機能などのマーケティングをアシストする機能があると、今後、顧客数が増えてきた時にありがたいと思います。
ー最後にSaaSus Platformの検討者へ一言をお願いします。
加藤さん:
新規事業の立ち上げの際に、リソース不足に悩む企業は多いのではないでしょうか?
SaaSus Platformを使えば、開発工数だけでなく、ビジネスサイドの時間の有効活用にも繋がります。必要なところに集中できて、より価値の高いサービスを提供することに繋がるので、費用対効果は抜群です!
ーありがとうございました!
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