SaaS開発ガイド【基礎編】

グローバルリロケーション事業を手がけるエンプラス株式会社。
BtoBtoC向けの外国人材受入支援サービスのプロトタイプをSaaSus Platformで開発をされました。今回は、ビジネスサイドから見たSaaSus Platformの手応えについてお話しいただきました。
インタビューにご協力いただいたのは事業企画に携わる江さんです。
ーまずは今回SaaSus Platformをご活用いただいたサービスについて教えてください!
江さん:
今回、開発をしたのはグローバルリロケーション事業の外国人材受入支援サービスのSasSです。
グローバルリロケーションは簡単に説明すると、採用、赴任、転籍、プロジェクトアサインメント等を背景に企業のグローバル人材が国境を跨いで異動する際の一連の渡航手続きをワンストップで対応するサービスです。就労資格やビザ手続き、海外引越、航空券、住まい探しや生活立上げなど多岐にわたります。
今回開発したプロトタイプは、日本に拠点を持つ企業が海外から人材を採用(直接雇用)する際、採用された方(ユーザー)が各種渡航手続きを進める上でのタスク管理をしたり、弊社のコンサルタントとコミュニケーションを取るためのツールです。
ー江様のプロフィールや社内での業務内容について教えてください。
江さん:
私は現在、事業企画部に所属しています。
開発したプロダクトについて営業サイドと連携し、提案方法などの検討、実績の管理をしています。プロダクト開発時にはプロダクトオーナーとして、開発のプロセスに関わっていました。
ー外国人材受入支援サービスのプロトタイプを開発するに至った経緯はなんですか?また、当該サービスで実現したいことは何でしたか?
江さん:
これまで、日本国内にて採用される外国人材を除き、就労目的で来日する外国人材の多くは、受入企業の海外拠点からの赴任者が多く、弊社もその方々のニーズに合わせた形でサービス提供をしてまいりました。赴任は一定の任期を前提に基本的に会社都合の異動となることから、企業として赴任者本人のみならずお子様の学校探し等その帯同家族も含め日本で円滑な生活の立ち上げや任期中の生活を手厚くフォローすることで、費用も高めのサービスでした。例えば、住民登録や銀行口座開設等にはバイリンガル担当を同行させるなど、多くのサービスは人の手で行っていました。
しかし、直接雇用という形で海外人材を採用した場合、国内採用との公平性という観点から、必要な支援を行いつつも必要最低限の範囲に収めコスト面においても最小限に抑えたいというニーズがありました。そのため、人の手がかかる同行サポートを標準化されたガイダンスに沿ったセルフ対応に置き換えたり、プロセスを可視化してコミュニケーションの工数を抑えたり、最適となるサービス内容と料金のバランスを模索する中、それに対応するインターフェースの開発が急務になりました。
これまで海外赴任をターゲットにしていたところから、新たに海外採用という領域に対してシステムでアプローチすることができれば、スケールメリットの確保と外国人材の海外採用という市場開拓を同時に実現できると考えました。
ーサービスを始めるにあたっての課題は何でしたか?
江さん:
今までのサービス提供方法を根本的に変えないといけないということですね。人の手を介していたことで、フローが抽象的で柔軟に対応できていたところもあったので、そういった抽象的な箇所を具体的なフローに落とし込むということ、ソフトウェアに落とし込んだ時にどう変わるのかをイメージするのに苦労しました。
あとは新しいサービスなので実際にどれくらいニーズがあるのかを把握できていなかったところですね。まずは市場にプロトタイプとして投入する必要がある中で、どこまで開発を実施するかが悩みどころでした。試験段階なので早くユーザーの声を聞きたいという要求もあったので、動き出すまでに検討することが多かったですね。
ーSaaSus Platformの導入に至った経緯を教えてください。
江さん:
私はこれまでに2回ほどプロダクトオーナーとしてシステム開発に携わった経験がありますが、要件定義から全ての機能を自社で考えて開発をするのは大変でした。
また、開発が一通り終わっても、社内にIT人材がそれほど多くいないこともあり、工数と人を十分に充てるのは難しく、継続的にシステムをアップデートする運用工数・コストが気になりました。
SaaSus PlatformにはSaaSに必要な基本的な機能が揃っており、これまで社内で管理を行なっていた機能を委ねられる点が時短とコストの低減に繋がると感じました。
新規プロダクトを立ち上げるとなると、開発ももちろん大変ですが、開発リソースの少ない弊社のような企業では、実は運用が大変でカスタマイズや修正に時間がかかることが大きなリスクになり得ると感じていました。専任のIT担当が不在だと、開発を何とかクリアできても、何かあった時に私のようなプロダクトオーナーに相談や依頼がきます。私も専門知識は持ってないので、開発を委託した業者に問い合わせたり、サービスプロバイダに問い合わせたりせざるをえません。そうすると必然的にとても時間がかかりますし、専門知識がないと、そもそも何をすればいいのか把握できないということもあります。
ー実際にSaaSusPlatformを使用してみた感想を教えてください
江さん:
SaaSに必要な機能を搭載しているので、気にしなければいけないところが少ない感覚はあります。他のソフトウェア開発と比べて、こちらからリクエストしなくてもログイン機能のアップデートがあったので、自分たちが行っていないのに自然に進化しているように感じました。自社でアップデートするとなると前述の通り余分な工数がかかるので、そういった負担が軽減されているように感じます。
ー本サービスのメリットは何だと思いますか?
江さん:
以前に携わったシステム開発では管理系機能の要件定義に時間がかかっていたのですが、SaaSus Platformでは少しの議論で簡単に設定できた感覚があります。感覚値にはなってしまいますが、工数は半分以下になっているように感じました。具体的なところで言うと、パスワードの設定とかログイン画面とか規約のカスタマイズなどがスピーディーにできた印象です。
開発そのものもそうですが、要件を決めるところの工数が削減できていると思います。SaaSus Platformの提供する機能をベースに何が必要か?を考えるだけでいいので、0から要件を考えなくても、選択肢を与えられた状態から検討を始められる点は工数削減に大きく影響すると思います。
ー御社の事業の今後やプロダクトの見据える未来について教えてください。
江さん:
現在、プロトタイプは一部のお客様にお試しいただく段階になっています。既にユーザーの方へ一通り使っていただきましたが、コメントではサービス含めての満足度が高く、今後に期待が持てました。社内の担当者が実際に運用しながら、想定オペレーションとの差を検証している最中です。
私たちの事業は海外人材の受入支援という特性上、人が動いているという前提が必要な事業です。創業以来、リーマンショック、大震災、コロナ禍、という危機を迎えてきました。
特にコロナ禍においては海外人材の受け入れの動きがとまってしまいっておりましたが、ようやくグローバル規模で行動制限が緩和され、現在はコロナ禍からの回復を肌で感じています。2023年4月以降はこの流れがさらに加速すると考えており、弊社としてもグローバルリロケーション事業を加速させていく予定です。
当社は、今後も増加が加速する海外採用に向けたサービスを強化する予定です。そのためには、今回開発したプロトタイプをより多くの人に使ってもらう必要があります。利用実績を積み上げることで、本格的な開発を進めていくことになりそうです。
今も社内に専任者はいない状態ですので、専門の会社に相談しながらメンテナンスしやすい状態にしていくのを考えていきたいです。SaaSus Platformはサービス提供者側の管理画面の使い勝手が良さそうなので、機能の理解を深めながら活用していきたいと考えています。
手前味噌ではありますが、累積8,000社を超える企業のサポート実績をもつ当社が展開する外国人材受入支援サービスは、必ず市場に受け入れられるものだと感じています。このサービスを軸に私たちの掲げるビジョンである「More Value, Less Barrier」を実現したいと考えています。海外の方から見て、日本という国は文化や言語や習慣に至るまで異なる点が非常に多く、それらが日本で暮らす、働く上での障壁(バリア)になりやすいです。そのため、私たちは「住まう」、「暮らす」、「働く」を軸にどんどんバリアを取っ払い、日本のグローバル化に貢献して行きたいと考えています。
そのために、まずは実績No1を目指します。それが多くの人に私たちのサービスが届いていると言う一つの指標になりうるからです。これから競合が増えていくことが見込まれる業界なので、認知拡大や機能改善には積極的に取り組んでいきたいと考えています。
ーSaaSus Platformに今後期待することは何ですか?
江さん:
事業に関して言えば、「住まう」、「暮らす」、「働く」を軸に展開していくので、当社が中心となり、これらに関連する専門サービスを提供する事業者を巻き込んでエコシステム全体で多くのバリアをなくしていけたらと考えています。そのため、顧客企業、その従業員だけでなく、専門サービス事業者も紐づくようなシステムに発展させていきたいと思います。それに伴って他のアプリケーションとの連携などが必要になるかもしれないので、SaaSus PlatformのEventBridge連携には期待しています。
また、弊社のサービスは国を跨ぐものなので、ISMSの取得など情報の管理やセキュリティの担保が証明されていると安心感があって良いと思います。他には請求機能では多数の通貨に対応されているとありがたいです。中長期的にはインバウンドだけでなく日本から海外に展開する、というのも見据えているので機能追加には期待しています。
ー本サービスの導入を検討している方に何か一言ありますか?
SaaSus Platformを活用すれば社内にエンジニア・IT人材を揃えられない会社でもSaaSのプロの知見を得られ、開発・運用の課題を解決できます!
外国人材活用のトレンドでもある海外採用をご検討いただいている企業様はぜひご連絡ください。ユーザーの使い勝手の良さを考え抜いた設計です。
採用した外国人材を初めて受け入れる企業様や既に社内で受入れ対応を実施して困難を感じているという企業様、他社サービスで工数が減らせていないと感じる企業様もぜひお問い合わせいただければと思います。
E-Book「SaaS開発ガイド」にてSaaS開発に取り組む前に知っておきたい重要ポイントを解説しています。
SaaSに関する基礎的な知識を身に付けたい方はぜひご一読ください。
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