【導入事例】一般社団法人才幹書院
オンライン競書の先駆者のスタートダッシュを加速!SaaSus Platformで実現する開発ナレッジの補完
日本初の完全オンライン型の競書サービスの提供を開始した一般社団法人才幹書院。開発のナレッジ不足という課題に対し、SaaSus Platformの活用を決意した経緯とその後についてお話しいただきました。
インタビューにご協力いただいたのは 才幹書院 オンライン競書「才幹」プロダクトオーナーの北嶋冬夜さんです。
オンライン競書のパイオニア
ーまずは貴団体と「オンライン競書 才幹」について教えてください。
北嶋さん:
一般社団法人 才幹書院は書道を愛する人々の人生を豊かにするために3つの事業を展開しています。1つが実力を有する書道家のプロダクション事業、2つが書道に特化したスキルシェア事業、そして3つめがオンライン完結型の競書サービスです。
今回 SaaSus Platform を活用させていただいた事業は、3つの事業であるオンライン完結型の競書サービスで導入させていただきました。
オンライン競書「才幹」は、書道教室に通いたくても通えない方や、教室には通えるけど決められたお稽古時間の融通がなかなかつけにくい方など物理的な制約がある方でも、自宅で好きな時間に学び書道に触れることができるサービスです。
近年、書道に特化したオンラインスクールやオンラインサロンが増えていますが、中でもオンライン競書「才幹」は、言わば正統派な書を学ぶ環境を提供しています。半紙各書体や条幅、臨書に仮名、そして実用書まで幅広い書体の揮毫動画と豊富な解説付きで学ぶことができ、段級位は書体ごとに付与しております。※認定試験や師範試験の受験も可能
才幹書院は、従来の書道教室や紙媒体が当たり前である「競書」の枠を超えて、書道を楽しみ続ける環境づくりを書道業界全体に波及させていくことをミッションとして活動をしています。
ーオンライン競書というのは従来の通信講座や YouTube やSNSで配信されてる書道の動画コンテンツとは違うのですか?
北嶋さん:
通信講座やYouTubeの動画などの形でお手本をみながら練習したり、添削を受けられたりするサービスやコンテンツはありますが、競書誌としてやっているところはありません。
オンライン競書「才幹」の特徴は、①才幹書院主幹の書家が監修のもと筆の角度や墨量、筆運び速度など充実した解説が繰り返し視聴できる「手本揮毫動画」、②出品券の作成や郵送続きなどの手間が一切不要、オンラインで完結する「課題提出」、③提出課題に対して定量的な評価とカスタマイズの効いた評価コメントをもらうことができる充実した「個人成績表」、④生長の足跡をひと目で把握することができる「成績管理」、⑤他の競書生の作品や成績を見て学び学ばれるコミュニティを提供しています。
書道が好きな人、書道を頑張りたいすべての人のために、時間や場所に縛られず好きな時に好きなだけ書道を楽しめるような機会を創出するために、ソフトウェアを活用し独自の価値を”機能”として提供しているのは当社だけなのではないでしょうか。
ー北嶋様はどのような形で才幹書院様に参画なさっているのでしょうか?簡単なプロフィールや社内での業務内容について教えてください。
北嶋さん:
実は私自身も小学校1年生の時から細く長く書道を続けています。「冬夜」は雅号であり、師事する才幹書院主幹の先生より命名いただきました。現在は書道を学びながら、才幹書院の競書運営メンバーとして参画しています。役割は、主にオンライン競書「才幹」のプロダクトオーナーとして、ビジネス側のビジョンを明確にしてプロダクトチームに共有し、開発のバックログを作成し、全体的な戦略とビジネス目標に基づいて開発の方向性を定めています。私自身、本業でもプロダクト開発に関わっているということもあり、才幹書院においても本役割を担わせていただいています。このあたりは、幼い頃から趣味として続けてきたことと今やっている仕事との点と点が線で繋がった感覚があり、非常にやりがいを感じています。
見据えるビジョンと開発ナレッジの乖離が課題
ーオンライン競書サービスを立ち上げるにあたっての課題は何でしたか?
北嶋さん:
率直に言うと、開発のノウハウがなかったことですね。書道を愛する人のために何をすべきか、というビジョンは見えていたもののそれを実現するサービスの在り方を模索していました。ソフトウェア化を行う前段階で、WordPressを使ったサイト上でのサービスをα版として関係者向けに提供したこともあります。
その段階でユーザーの求めるものは見えてきたので得るものはありましたが、事業としてスケールするのが難しいという課題がありました。例えば、ログインする箇所が多くなってしまったり、ユーザーの管理をサイト外のスプレッドシートで行なっていたりで、煩雑になっていました。サイト自体も単なる閲覧用のコンテンツの提供になっていたこともあり、ユーザーと教室との双方向性が欠けていて、書道教室、学習サービスとして十分な価値提供が難しい状態でした。
ーそこでソフトウェア化に踏み切ったのですね。それにあたってSaaSus Platformの導入に至った決め手はあったのでしょうか?
北嶋さん:
一番は開発の工数を抑えられそうだったという点です。減らした工数の分をサービスのコアの部分、価値を高める部分に充てられるので、本当に必要な機能に注力ができると考えました。SaaSus Platformに開発の一部を委ねることができるので、使わない手はないなと思いました。
ー北嶋さんは別のSaaSプロダクトにも携わったことがあるとお聞きしましたが、SaaSus Platformを活用した場合とそうでない場合の違いはありますか?
北嶋さん:
工数の削減でユーザーに価値を提供できる部分の開発に注力できているという実感があります。従来はプロダクトを作る上で、ユーザーに必要な機能を見極めて、それを実現するために必要な機能の開発を進めていく形だったので、本当に必要で作りたい機能の開発が後回しになるというジレンマがありました。その部分をSaaSus Platformが担ってくれるので、冒頭でもご紹介した本来は一刻も早くユーザーに価値を提供したい機能の開発までのプロセスが短縮されて、開発への近道になったように感じます。
ーより具体的な使用感についてもお話しいただけますか?
北嶋さん:
認証部分に関してはユーザーの登録状況が見えるのがありがたいです。
実際に開発を行うメンバーの声としては、ログイン周りは意外と考えることや開発の手間がかかる箇所なので、そこに手をかけなくて良いことで負担が減っているとのことです。
また、現在はSDKとAPIを活用し開発を行なっていますが、従来の自前のデータベースを用いる場合と遜色ない使用感で扱えており、全体的に開発工数を削減しつつ、使用感も十分に担保されているようです。
2Cから2Bへ
ープロダクトの今後の展望についてもお話いただけますか?
北嶋さん:
現在は書道教室の生徒さん向けのB2Cのサービスですが、今後はB2Bとして競書誌向けのサービスも提供していくことも検討中です。才幹書院のお手本や教材を活用する書道教室を増やしたり、オンライン書道教室のシステムを各競書誌団体に提供したりなど、いくつか方法があるかなと思います。各教室や競書誌団体を1テナントとして管理し、それぞれに対してシステム利用料のような形で請求を行う時にSaaSus Platformの請求機能を活用する場面が出てくると考えています。
競書誌団体のほとんどはオンラインの仕組みを持っていないため、才幹書院が構築したオンラインのシステムを活用してもらうことで、書道界のオンライン化が一気に進むのではないか、それによってさらに盛り上げることができるのではないかと考えています。ソーシャル機能とか成長プロセスが可視化できるようなコンテンツを導入して、書道をより楽しんだりモチベーションを高めるための機能が追加できるといいかもしれません。
また、書道未経験者や教室に入るのを迷っているような人たちに興味を持ってもらうために無償の教材公開などをするのも検討中です。
ー開発の体制について何かお考えはありますか?
北嶋さん:
開発に関して言えば、内製化はしていきたいなと考えています。そのためにも、SaaSus Platformを活用することでアンチパターン社の保有するSaaS開発のナレッジを内部の開発者たちにも浸透させていけたらいいですね。
今回、SaaSus Platformを活用することで、SaaS開発のナレッジを十分に持たないエンジニアでもSaaS開発に参画しやすくなるように感じました。実際に、才幹の開発には開発経験の少ないエンジニアも参画しています。経験の浅いエンジニアへの機会提供を行うという意味でもSaaSus Platformは有用なのではないかと思います。
ー元々コスト最適化・工数削減として導入していただいたと思いますが、今後、SaaSus Platformに今後期待することは何ですか?
北嶋さん:
SaaSに必須な機能として浮かぶのはカスタマーサクセスやサポートに使える機能ですね。サービス内でのユーザーの動きが見えると分析やサービス改善に生かせると思います。
例えばログイン頻度と書の上達の相関があるのか?などの分析に使うなどして、書道を生きがいにしてもらうためのヒントにしたいと思っています。
また、現在はお客様の声については、Google FormsをメルマガやLINEで定期的に配信して収集していますが、これはユーザーのアクションに委ねられるため、システム側で動きを把握することで全体像を可視化できるとありがたいです。あとは、Googleアカウントでのログインやログイン時間の継続(リフレッシュトークンの実装)ができるとユーザー体験がさらに向上するかと思います。
ー最後に本サービスの導入を検討している方に何か一言ありますか?
北嶋さん:
SaaSus Platformにはアンチパターン社の持つSaaS開発のナレッジが詰まっていると思います。SaaS開発の経験がない人や開発での失敗経験がある人は、SaaSus Platformを通じてアンチパターンのナレッジやチームの技術力を取り入れることができます。SaaS開発の「渡りに船」なのではないでしょうか?
最近、プロダクトやサービス開発の書籍を読んでいると、海外では「いかに自分たちで作らないか?」を重視しているという文脈をよく目にする気がします。もしかしたら、日本は自分たちの手で作りたい職人気質が多いのかもしれませんね。SaaSはユーザーの声を聴きながら成長し続けることが求められるので、開発には終わりがなく常に作り続けていくサービスだと思います。「本当に職人の手が必要なところに開発の手が行き届く」。SaaSus Platformはそれを実現するためのサービスなのだと思います。
E-Book「SaaS開発ガイド」にてSaaS開発に取り組む前に知っておきたい重要ポイントを解説しています。
SaaSに関する基礎的な知識を身に付けたい方はぜひご一読ください。
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